DF足りてますか?@等々力陸上競技場「VS 名古屋グランパス戦」【J特】

 首位の名古屋と天王山、いや今日はフロンターレの桶狭間だと思いたい試合でした。勝てば首位と勝ち点3差、しかし負ければ9に差が開く試合。もし本当に優勝する気なら、ここで勝たなければ絶対にヤバい試合でした。

 基本的に相性の良い相手であると言われ、J1リーグ戦では05年4月の等々力で負けたのが最後。この時、J1での戦い方の呼吸さえつかめば、少なくとも互角にやれるだろうと思った事を覚えています。

 前回は豊スタで打ち合い、テセのスーパーゴールで勝ちましたが、テセがドイツへ行きポストプレーヤー不在の中で、どう組み立て行くのか、また好調守備陣がケネディの高さを活かした攻撃を如何に封じ込めるのか。
 
 スポニチの記事じゃないけど守勢に回ると名古屋は意外に脆いのだなと感じた事が多いので、どんな形でも良いから先制点が取りたい。そのためにツトさんは、どう仕掛けるのか気になっていました。

・試合観戦のポイント

 まず名古屋のCBが高いのでロングボールに黒津が競って、どれだけ勝てるか。続いてヒロキが入った右サイドからクロスが入った場合、ファーに流れるケネディをどう対応するのか。

・試合解説

 まずは布陣から。

画像


 ヒロキが右サイドに入りまして、端的に言えばACLで負けた時が左サイドを破られての得点でしたので、その印象から、この最終ラインなのかもしれませんがクロスの殆んどがヒロキのサイドから上げられたのでは意味が無いんですよね。

 特に前半は玉田のシュートミスと、井川のスーパープレイに助けられましたが形になってしまった時に対応できていないのでは、結果オーライだったなという印象しかないですね。どうせやるならヒロキを左サイド、井川を右サイドにした一時期のJ2みたいに4センターバックでやったら良かったのにと思いましたが、小宮山のプレーを見るごとに「スマン、俺が悪かった」と思った事を白状します。

 さて立ち上がりから両軍ミスが多すぎ、こちらは田坂のポジショニングや動き出しが悪くて、普段なら通る球が通らずビルドアップが上手く行きません。ケンゴが珍しく怒りを露わにしたのが印象的でしたね。全体的に上手く行かず、ピッチの中ではかなりイライラがたまっていたのでしょうか。

 もっともビルドアップが出来なくても、何とかなるチームではあるし、むしろそちらが本来の姿ですから戦い方を変えたら問題無いと思うのですけどね。

 ポイントで挙げたポストプレーもやはり競り勝てる回数も多くはありません。それでもピンチになったように感じないのはセカンドボールが拾えたり、相手にそれが拾われてもコースを限定する事で速攻に繋がせなかったからでしょう。

 こうミスが出る試合ですと、最終ラインが危険にさらされる時間帯も増えますので、そこでどれだけ集中できるかですね。集中力を切らしたら負ける、DFはいつも以上に我慢比べですよ。

 そんな中、この日も元気だったヴィトールが36分、ダイアゴナルランで最終ラインのギャップをつき、追って来た阿部のチェックをガードしながら左足を振り切り先制。黒津の形を見ているようなプレーでした。

 ここから前掛かりになる名古屋をカウンターで仕留めにかかるためにも後ろの奮闘が必要な訳ですが、今日は井川がやってくれました。相澤も反応できなかったシュートをゴールライン上でクリア、ああいうプレーが出ると言うのは集中できている証拠。このプレーは大きなポイントだったと思います。

 1-0で前半を終え、後半の立ち上がりを守り切った事でペースがコチラに来ます。名古屋がそれまで中盤でフィルターとして十分に機能していたダニルソンを中村直志に代えます

 あれだったら千代反田を入れて、浦和がやったように闘莉王を中盤に上げる方が嫌ですけど、そういう案は無かったのでしょうか。直志が悪い訳じゃないですが、彼の魅力はあそこで活かすのは厳しいとおもうし、この交代が、かえってバランスを崩したように見えます。

 ダニルソンの交代理由はわかりませんが、アクシデントによるものであれば彼のバックアップとして吉村が入っていないのはリスクマネジメントとして、どうなのかなと思います。彼も怪我だって言うならばともかくとしてですが。

 これで中盤のプレッシャーが弱まり、ボールが持てるようになりました。彼がいた時に比べると明らかにバイタルエリアが広く感じます。それがジワジワと効いてきて、浮き球を阿部と競り合って勝った黒津が右サイドから突破し、上げたクロスをヴィトールが押し込み追加点。

 そして71分、再び右サイドでボールを持った黒津の足へスライディングした増川が退場になると、バランスの崩れが鮮明になります。 

 何と闘莉王が上がりっ放しです。

 直志がカバーに入ってましたが、ジュニと競り合いながら強引に振り切られるなど守備に献身的に走るけれど、CBとしては急造の域を出ないのに、闘莉王は攻撃にいってましたからね。その隙に最終ラインからのボールをジュニがフリックして、受けた小宮山のクロスをジュニが冷静に決めてトドメ。シュートブロックも無かったんじゃないかと思います。

 普通、そこまでなったら上がらないし、ましてやカウンターが得意な川崎相手なんですから自重するかなと思ったら、懲りずに上がって来てまして、サイドバックのポジションにもいましたね。

 点差があるとは言え、それ以上に失点をしないようにしなければいけないポジションであるのに攻撃参加して追加点を許すと言うのは問題だと思います。この時点での攻撃参加はピクシーの意図するものだったのでしょうか。

 トドメに田坂のミドルがDFに当たって、コースが変わりダメ押し、完全に心を折ったなと感じました。少なくとも増川が退場後、闘莉王が上がって無ければフロンターレは2点で止まっていたのではと思います。

 逆にこちらは井川が骨折で佐原に変わさたのですが、相変わらずの対人戦と空中戦の強さを見せてくれました。準備無しのスクランブルでしたが、素晴らしいパフォーマンスでしたね。

 その後はタニを入れて攻撃力の低下を最低限にしながら守備を固めて逃げ切りに成功。最終的なスコアは次の通りです。

画像


 見ていて感じたのですが、名古屋が守勢に回った時に脆さを見せるのは、攻守のバランスに問題があるから。もっと言うと攻撃的過ぎるからでしょうね。

 攻撃的な選手の豊富さに比べると守備的MFとして計算できるのがダニルソンと吉村くらいと言うのは少なすぎませんかね。闘莉王を使うにしても、そうするとCBも経験豊富なのが増川と千代反田だけとなると心細いと思いますよ。

・補足

 ここ3試合、守備陣は0封ですね。そもそも再開後は4失点しかしていませんがキャンプでの守備再構築が上手く行ったのでしょう。今節までの結果ですと堅守と言うイメージのある清水より失点していません。

 再開後、8試合で4失点しかしていないと言うのは、かつての川崎からすると「信じられない」出来事です。失点率が0.5ですよ。2試合に1点しかとられていない計算になりますが、毎試合1失点は仕様とかうそぶいてた頃から1年、経ってないんですけどね。

 開幕当初は勝負所を見逃さない抜け目なさと同時に、つまづくと盛り返せない脆さも見せていましたが、再開後はジュニの帰還によるケンゴとのホットラインが復活した事で抜け目なさに加えて、勝負強さも戻ってきました。

 一時、得点力不足が囁かれましたが、仙台戦の逆転劇や今節の名古屋叩きを見れば一過性のものだったとわかるでしょう。

 さて次節はビックスワン、今度はウチの鬼門です。今シーズンはアウェイの勝率が悪い上に、蒸し風呂のような新潟が舞台。

 疲労を考えれば厳しいですが、名古屋を叩いた勢いで新潟に行けるのなら中2日も悪くないと思います。

この記事へのコメント

なし
2010年08月19日 09:45
田中マルクスの攻撃参加は
彼が上がったときに
ピクシーが「ステイステイ」
言ってました。
名古屋サポ
2010年08月19日 12:00
名古屋サポですが吉村骨折中です。ダニルソンも手の甲の骨にひびが入ってるようで万全ではないのです。守備的MFの指摘はごもっともです。
KK
2010年08月19日 16:39
井川の離脱は痛いですが、それで守備の安定が崩れてしまうようなサッカーはしていないと思うので、あまり心配していない自分がいます。
今の守備の安定はチーム全体の守備意識の高さによるものであって、CBによるものだけじゃありませんからね。
おっしゃるとおり佐原のパフォーマンスも問題なかったですし。
心配があるとしたら菊池と佐原のバックアップがいないというところでしょうか。。。
ただそこも、周平さんが復帰してくれば問題ないでしょう。
昨年からですが、チーム全体で戦っている感があってとてもいいですよね(^^)
並河悠斗
2010年08月19日 21:35
どもです、名古屋の自滅にも見えましたが、フロンターレの持ち味を存分に発揮した試合でしたね。

ディフェンスがだいぶ安定してきた中でVJと田坂が本領発揮、攻撃に関しても新たなスタイルを模索しているであろう中であれだけの破壊力。いよいよフロンターレのサッカーが新たな形態になりつつあるのを感じ、楽しみが増えました。

イガの離脱は痛いですが、ヒロキをCBに入れて勇介を右サイドに入れれば事は足りるかと。勢いのままに新潟、清水を撃破して欲しいものですね。
TAK
2010年08月19日 23:39
>なしさん
 あっ、やっぱりそうでしたかw。
>名古屋サポさん
 吉村怪我ですか。ダニルソンも怪我となると計算できるのが3人いないと厳しいかもしれませんね。もっとも3人目は別のポジションがこなせればベストですが。
>KKさん
 そこで薗田の踏ん張りをと思いますがヒロキ復帰で、吉田がベンチ入りのような気がします。
 おっしゃる通り、昨年からチーム全体で戦っている雰囲気が出ていますが、井川のブログにも誰が出ても大丈夫と信じているという事が書いてありましたね。
 チーム内もそういう雰囲気になっているのは良い事だと思います。
>並河悠斗さん
 ジュニ、黒津、VJ、田坂が積極的に仕掛けるスタイルになってきましたね。これに勇介と小宮山まで加わってドリブル&ランで崩すスタイルが、パスサッカー全盛の今日に、どれだけのクサビを打ちこめるのかが楽しみですね。

この記事へのトラックバック

  • 【J特】価値点6の勝利…なんですが

    Excerpt: 何か変な勝ち方だよな…('^^負ければ9差、勝てば3差と運命の分かれ道だった、首位・名古屋様との直接対決だったのですが…試合が変な方向に行ってしまった感じです。俗に言う『壊れたゲーム』と言いますか…勝.. Weblog: 鯆組ブログ racked: 2010-08-19 02:46